第31号:「家族もできる、片麻痺へのリハビリ」その12
<第31号(2019.11.18)>
☆★☆───────────────────────────
家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~
──────────────────────────────
こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。
理学療法士はリハビリの国家資格です。
このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースで
拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお
さて、第31号は、こちらです↓
■「家族もできる、片麻痺のリハビリ」
その12:片麻痺:握った指を伸ばし、足の裏を床につけやすくす
■編集後記:「よかれと思って」は、悲劇を生みやすい
_______________________
■片麻痺:握った指を伸ばし、足の裏を床につけやすくする方法
_______________________
さて、
このメルマガの第20号からは、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の
第22号からは、「どの筋肉を優先的につくるのか」というお話を
「お尻まわりの筋肉からつくる」という理由や動画のご紹介が始ま
(厳密には、身体の中心である『腹筋の締り』から整えるのですが
これは片麻痺に限らず、人間の体に共通して優先的につくる必要が
第27号からは、実際に「麻痺」という言葉が登場する動画も織り
その流れで、第28号からは「麻痺がある筋肉を強くする」という
前回は「ウエストの筋肉」登場し、体の支えが左右で均等な(また
今回は、そのメリットとして、麻痺側の指が伸ばしやすくなる話な
「片麻痺:握った指を伸ばし、足の裏を床につけやすくする方法」
https://www.youtube.com/watch?
動画の中では、
1.「過緊張タイプの片麻痺では、手なら指を握ったまま、足なら
2.「それらを戻したいが、無理に戻そうとしても『逆効果』にな
3.「感覚情報が体に入りやすい状態にしてあげることで、リラッ
などについてお伝えしています。
片麻痺のゆがんだ姿勢のつらさは、自分でその姿勢を真似してみれ
例えば、腰掛けた姿勢において左右均等でない座り方をすると、腰
痛みが出やすいですし、その姿勢を続けていると体が硬くなってし
左右均等な姿勢なら「骨で支える」割合が高いため、周辺の筋肉た
姿勢がゆがんでいると、骨で効率よく支えられず、その分「筋肉が
筋肉の過緊張がエスカレートし、ゆがみや、そこから来る不安定さ
問題なのは、そういう仕組みで過緊張が増している状態なのに、無
痛みが出やすく、痛みに対する「防御収縮」で筋肉は更に過緊張に
更なる「悪循環」にハマって行ってしまうことです。
こうなるともう、ご本人も、「よかれと思って」ゆがみを戻そうと
痛いことをされて悪化するご本人が「拒否」に走ってしまいかねず
余計な緊張を取り除くには(一般の人々の状態に使づけるには)、
・姿勢をできるだけ左右均等にすること
・感覚情報(触覚ほか)が体に入りやすくすること
が必要なのですが、それら2つは「リラックス」という共通した要
つまり、姿勢が左右均等になれば、骨で支える割合が高まるため、
リラックスしていると「感覚情報」が入りやすくなり、緊張不要な
感覚情報の話をもう少しすると、例えば、片麻痺の人でなくても、
他者から話しかけられても気づかなかったりしますね(聴覚情報が
心と体はつながっていますし、精神や筋肉の緊張が高いと、感覚情
周囲からの情報が感覚のセンサーを通して入りにくいと、「適度な
「(不安や不安定さから)過緊張になり身を守る」状態になりやす
例えば、初めて車を路上で運転したら、緊張のため視野が狭くなり
余計に怖くて、余計に緊張しやすくなり、余計に視野が狭くなる「
それを改善するために、姿勢を左右均等に近づけました。
そのように物理的にリラックスしやすい状態にした上で、
感覚のセンサーから感覚情報を入れやすくする例として、手のひら
軽く刺激を入れて「緊張しなくても大丈夫」と体に伝えることを、
自分がどういう状況にあるかが感覚のセンサーから伝われば、必要
片麻痺で握ったままの指を伸ばしたり、床につかなくなっている足
本来の「好循環」な状態へ導いて行く作業がしやすくなります。
ただでさえ「麻痺」のために苦しみもがく方を、「悪化」させる方
_________________
■編集後記
_________________
私はこのメルマガに限らず、ことあるごとに、
「よかれと思って」という言葉が出て来たら要注意だ、と伝えてい
それは、相手のニーズ(状態や状況)に関心を持たず、
「自分がやりたいから、やる」「自分の想いを果たすことの方を優
例えば、被災地に、現地の人々が必要としているもの以外の物を「
現地から不満が出ると、「ありがたいと思わないのか」と怒り出し
「助けてあげたい」という想いを「自分本位に」成就させようとす
「相手本位で」実現できるように、相手のニーズや状態に関心を持
次回の動画では、片麻痺の方のケアでやってしまいがちな例をご紹
麻痺側の足首が内側に曲がって来るために、「よかれと思って」両
足首のゆがみを「悪化」させてしまうお話です。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、
早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい
では、また次回をお楽しみに!
(レナト)
・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、
(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」で
・バックナンバー(ページの後半にございます):https:/