第30号:「家族もできる、片麻痺へのリハビリ」その11

 

 

 

 

<第30号(2019.11.9)>

 

 

 





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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。








さて、第30号は、こちらです↓


■「家族もできる、片麻痺のリハビリ」

  その11:ウエストの筋肉が「強い」側へ、上半身が傾く場合



■編集後記:地味で目立たないけど、大事な役割を果たすもの


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■ウエストの筋肉が「強い」側へ、上半身が傾く場合
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さて、

このメルマガの第20号からは、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の後遺症である「片麻痺」へのリハビリに関するシリーズが始まっています。




第22号からは、「どの筋肉を優先的につくるのか」というお話を進めていて、

「お尻まわりの筋肉からつくる」という理由や動画のご紹介が始まりました。

(厳密には、身体の中心である『腹筋の締り』から整えるのですが、説明の都合上、『お尻まわりから』としています)

これは片麻痺に限らず、人間の体に共通して優先的につくる必要がある部位ですので、先にお伝えしてきました。





第27号からは、実際に「麻痺」という言葉が登場する動画も織り交ぜ始め、

その流れで、第28号からは「麻痺がある筋肉を強くする」という話に入り、

前回は「ウエストの筋肉」登場しました。

今回は、その続きです↓






「ウエストの筋肉が『強い』側へ、上半身が傾く場合」(1分58秒)
https://www.youtube.com/watch?v=-vqokxIMhGI&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=2





動画の中では、

1.「前号と同じく、前提は、左右のお尻の筋肉(のボリュームや弾力感)が均等で、ウエストの筋肉に左右差がある状態」

2.「前号のようにウエストが弱い側へ上半身が傾くのでなく、今回は強い側へ傾くケース」

3.「その仕組みは、左右のウエストの筋肉の『締まる力の差』により上半身がもっていかれる、というもの」

などについてお伝えしています。







「ウエストの筋力の左右差」は前回の動画と同じなのに、今回は、上半身は前回とは真逆の方向へ傾きます。

一見奇妙ですが、仕組みはシンプルで、

本来なら左右で「つり合っている」はずのウエストの筋力に差ができているため、

「引っ張り合いっこ」に勝った方に、上半身がもっていかれる場合がある、というだけです。






ウエストの筋肉は比較的「地味」なのですが、大事な役割を果たしています。

姿勢保持だけでなく動作、例えば、寝た姿勢からの寝返りや起き上がりの際に、

力の拠り所として活躍する部位なので、ウエストの筋力低下に気づかず放置すると、

ベッド上の動作の改善が進まないわけです。






各動作の仕組みや改善に関する動画は、いずれ特集を組んでシリーズでお伝えする予定ですが、

その中から、先ほどの「ウエストの筋肉が起き上がり・寝返り動作に影響する」ことを取り上げた動画を、

関連動画として、先にご紹介しておきます↓




「起き上がり、寝返りは『力の拠り所』をつくって改善」(2分24秒)
https://www.youtube.com/watch?v=HYM5BDecpAY&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=6





ここまでの作業により、腰掛けた姿勢を例にすると、

お尻まわりの筋肉をつくることで、左右均等な「土台」ができ、

ウエストの筋肉をつくることで、左右均等な「柱」ができました。

それにより、左右均等な姿勢になれた(近づけた)ことで、本来の「好循環」な状態に戻ってきます。

次回は、片麻痺の過緊張タイプの人が左右均等に近づくことで、どういう恩恵を受けるか、というお話へ進む予定です。




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■編集後記
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ウエストの筋肉もそうですが、他に派手で目立つものがたくさんあると、

地味なものは存在すら忘れられてしまいかねません。





人間でも、地味な人、目立たない人がいますが、

全体から見ると、大事な役割を果たしていることがありますよね。





音楽のバンドでも、派手なギターだけでは成立せず、

地味でもリズムをつくるベースが大事だったり、





合唱でも、高音の声が目立ちますが、低音の声があってこそ「バランス」や「調和」が保たれ、

それぞれの本領が発揮されます。





「派手なもの」「派手な人」は注目を集めやすく、人気が出やすいのは理解できますが、

全てが「派手」だけで構成された世の中は、「不調和」過ぎて、想像しただけで恐ろしいです。





人体でも、目立つ大きな筋肉を鍛えたくなりがちですが、

動作などにおける「不調和」を自ら呼び込みかねません。

地味でも大事な役割を果たしている「ウエストの筋肉」のことを、

覚えていて欲しいと願います。







最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


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