第29号:「家族もできる、片麻痺へのリハビリ」その10

 

 

 

 

<第29号(2019.11.3)>

 

 

 





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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。








さて、第29号は、こちらです↓


■「家族もできる、片麻痺のリハビリ」

  その10:ウエストの筋肉が「弱い」側へ、上半身が傾く場合



■編集後記:

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■ウエストの筋肉が「弱い」側へ、上半身が傾く場合
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さて、

このメルマガの第20号からは、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の後遺症である「片麻痺」へのリハビリに関するシリーズが始まっています。




第22号からは、「どの筋肉を優先的につくるのか」というお話を進めていて、

「お尻まわりの筋肉からつくる」という理由や動画のご紹介が始まりました。

(厳密には、身体の中心である『腹筋の締り』から整えるのですが、説明の都合上、『お尻まわりから』としています)

これは片麻痺に限らず、人間の体に共通して優先的につくる必要がある部位ですので、先にお伝えしてきました。





第27号からは、実際に「麻痺」という言葉が登場する動画も織り交ぜ始め、

その流れで、前号からは「では、麻痺がある筋肉をどう強くすればいいのか」という話に入りました。

では、8つ目の動画をご紹介します↓






「ウエストの筋肉が「弱い」側へ、上半身が傾く場合」(1分54秒)
https://www.youtube.com/watch?v=cxKsZGrbQdY&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=1





動画の中では、

1.「左右のお尻の筋肉(のボリュームや弾力感)が均等な状態が前提の話」

2.「土台(左右のお尻)が均等でも、柱(左右のウエストの筋肉)に差があると、上半身が横に傾く」

3.「ウエストの筋肉が弱い側(柱が崩れている側)へ上半身が傾く」

などについてお伝えしています。



 

 

 

 

前回の動画までは主に、お尻まわりの筋肉の話をしていました。

 

それらがうまく行って、腰掛けた際の土台である骨盤が左右水平になったにもかかわらず、

 

上半身が左右どちらかへ傾いている場合の話へ、今回から進んで行きます。

 

 

 

 

 

姿勢を左右均等にするのは、片麻痺に限らず、理にかなった状態へ戻すために、とても大事なことです。

 

例えば、背骨は、後ろから見た際に、できるだけ垂直な方が上半身の重さを「骨で」支えやすくなります。

 

ところが、上半身が左右水平でないと、骨で支える割合が減り、その分を「筋肉で」無理に吊り下げたり・支えたりするため、過緊張タイプの片麻痺を更に悪化させてしまいます。

 

クッションなどの物を体の横に入れ、上半身の傾きを表面上なくすことをしたくなりますが、これではご本人もつらいですし、立って動く際には上半身が横に傾いたままなので危険ですね。

 

 

 

 

 

 

 

ウエストの筋肉はどちらかと言えば、目立たない筋肉ですが、姿勢を左右均等にして片麻痺の方をラクにしてあげるためには、とても重要な役割を果たします。

 

今回の動画では、まず、ウエストの筋肉に注目してもらうことを主眼においてもらい、

 

家を例に、「柱」が弱い側へ傾く、というシンプルなイメージを持ってもらいました。

 

次回の動画では、その逆で、「柱(ウエストの筋肉)」が強い側へ、上半身へ傾いてしまうケースをお伝えする予定です。

 





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■編集後記
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リハビリの専門職にとって、患者さん(利用者さん)の「左右差」をみることは、基本中の基本です。

 

姿勢においても、筋力などにおいても、そうですね。

 

多少の個人差はあれど、だいたい左右均等であるから、バランスの良い・効率の良い姿勢や動作が実現しています。

 

 

 

 

 

ところが、「片麻痺」は「片」が「麻痺」してしまうため、さあ大変です。

 

左右均等から「かけ離れた状態」になりがちで、バランスや効率が悪化し、姿勢や動作に多大な影響が出ます。

 

体がゆがむと「痛み」などにもつながりやすいため→「動けないし、痛くて動きたくない」→「介助量・要介護度がどんどん悪化」となりかねません。

 

 

 

 

 

私としては、こういう状態で苦しむ方や、その介護で疲弊し切って「共倒れ」になるご家族などを、見ていられません。

 

動画の中でもご紹介している、出版作品「家族もできるリハビリ・シリーズ」は、ご家族でも出来る簡単な方法で、そういう困難を改善しやすくなるように書かせてもらっています。

 

リハビリ専門職の量・質ともに不足する現在、「ご家族がリハビリをする時代」に既に突入している、と考えますので、

 

私からの情報が、少しでもお役に立てれば幸いです。

 

 

 






最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


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