第25号:「家族もできる、片麻痺へのリハビリ」その6

 

 

 

 

<第25号(2019.10.6)>

 

 

 


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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。
理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。








さて、第25号は、こちらです↓


■「家族もできる、片麻痺のリハビリ」

  その6(←前回は「その4」になっていましたが、正しくは「その5」でした。すみません)

  :転倒予防・対策:落下を制御し、骨折を防ぐ



■編集後記:誰も見守れない時間帯をイメージする

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■転倒予防・対策:落下を制御し、骨折を防ぐ
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さて、

このメルマガの第20号からは、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の後遺症である「片麻痺」へのリハビリに関するシリーズが始まっています。




第22号からは、「どの筋肉を優先的につくるのか」というお話に入り、

「お尻まわりの筋肉からつくる」という理由や動画のご紹介が始まりました。

(厳密には、身体の中心である『腹筋の締り』から整えるのですが、説明の都合上、『お尻まわりから』としています)





では、4つ目の動画をご紹介します↓






「転倒予防・対策:落下を制御し、骨折を防ぐ」(3分02秒)
https://www.youtube.com/watch?v=JIhfbiUS5vA&list=PL87Hh0oDQOdeJGeEkLxHw-3VliJkyC3aC&index=3





動画の中では、

・「お尻まわりの筋肉が機能していると、着座をゆっくり行える(急激な上半身の落下を制御できる)」

・「在宅でご家族などが、24時間見守るのは無理」

・「見守りがない時間帯に、ご本人の大ケガを防いでくれ得るのが『お尻まわりの筋肉』」

などについてお伝えしています。






第23号でも「お尻まわりの筋肉」が転倒(=上半身の落下)を防いでくれる主役であることをお伝えしましたが、

仮に、まだ「お尻まわりの筋肉」の支える力が充分でなく落下を防げなかったとしても、

「落下の速度を遅くしてあげれば(床などにぶつかる衝撃を軽減してあげれば)、骨折などの大ケガを防げる可能性が高まる」

という、ちょっと発想を変えたお話が、今回のメインです。






物事をすべて同列に扱っては、どれも中途半端になってしまうので

重要度に応じて、私は必ず「優先順位」を定めます。

やはり「命」にかかわることは「最優先」になるので、「転倒」を防ぐのが最優先ですし、

仮に転倒しても、大ケガに至らないように守るというのが次に来ます。






在宅では夜間に利用者さんが転倒することがあります。

理由は色々ありますが、誰しも夜中にトイレに起きた際などはフラつくので、もともと身体能力が低下している方なら、尚更ですね。

そんな時、「日中の動作能力が高まっているからOK」と捉えていると、夜中の転倒で大ケガ→入院→在宅生活終了、となりかねません。





しかし、日中はできるだけ見守りや介助を行っているご家族なども、24時間すべて対応するのは無理です。

それでは本当に「共倒れ」になってしまいますね。

だったら、「ご家族の見守り」に代わるものを用意すればいい、という発想です。

私の場合は、利用者さんの体の支え(特に、「お尻まわりの筋肉」)が機能するように(訪問リハビリの際に)仕込んでおくので、

仮に、上半身の重さを支えきれなくなっても、一気に床まで落下することを防ぎやすくしておきます。






実例は、いくつか経験しました。

ご家族曰く「朝、トイレ付近で本人が床に寝そべっているのを発見したが、(擦り傷や打撲などの)外傷がほとんどない」などです。

自宅内に監視カメラがあるわけではないので、実際どうだったかは確かめられないのですが、

床上で発見されたにもかかわらず外傷があまりなかったことから最も考えられるのは、

落下は落下でも、「比較的ゆっくりと床に降りることができた」ということですね。






私が訪問リハビリをやっていた頃は医療・介護保険の制度上(または事業所の都合上)、

週1回60分しか介入できないケースがほとんどでした。

それでいて、訪問リハビリへオファーが来る際は、「しょっちゅう転んでいるから、なんとかして。でも本人は運動したがっていない

などのように、難易度の高い注文が多かったです。






レナト式リハビリが、ご本人にはほとんど何もしないで筋力がついたり、動作がしやすくなったりするものであるのは、

そのような経験から、導き出された方法だからです。

しかも、訪問リハビリの頻度が少ないなら、ご家族がリハビリを簡単にできる形にすれば、それを補完できるので、

出版や動画作成を通して、必要な方に届くよう、ご紹介しています





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■編集後記
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超高齢社会で病院のベッド数が不足し、入院できない(在宅で医療を受けざるを得ない)人が増えます。

では、施設へ入所すればいいかというと、労働力不足で職員が足りないため、

ベッドは空いているのに、入所制限せざるを得ない事態が既に起こり始めていますね。

もちろん、それ以前に、経済的な問題で在宅医療を選択せざるを得ないご家庭も多いです。





そうなると、「自宅しかない」ということになるのに、

ご本人を独りにしておくと色々と大変なことになるため、誰かの介護や見守りをつけざるを得ません。

訪問系のサービスを毎日入れたとしても、当然24時間ずっとはいてくれません(むしろ、短時間です)。

そうなると、それ以外の時間を担当するご家族の負担があまりにも大きいですね。






ただ、ご家族の負担は特に、ご本人の動作能力が低下しているから、介護したり見守ったりすることが多いので、

逆に言えば、ご本人の動作能力が高まれば、べったりケアしなくても良くなってくるわけです。

レナト式リハビリは、増え続けるそのようなニーズに対応できるようにリリースさせてもらったものです。

ご家族が「共倒れ」になってしまわないよう、早目早目にケアするお役に立てれば幸いです。







最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46