第21号:「家族もできる、片麻痺へのリハビリ」その2:

 

 

 

 

<第21号(2019.9.8)>

 

 

 


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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。
理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。








さて、第21号は、こちらです↓


■「家族もできる、片麻痺のリハビリ」

  その2:筋トレ:高齢者や片麻痺の方向け


■編集後記:私は「絵にかいた餅」が嫌いです


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■筋トレ:高齢者や片麻痺の方向け
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さて、

前号からは、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の後遺症である「片麻痺」へのリハビリに関するシリーズが始まりました。

その振り返りからですが、導入(イントロダクション)として、ざっくりと大項目を列挙し、

ご家族がやれ得るものか、〇・△・×で以下のように区分しました(あくまで、私の見解ですが)。



1.現在(退院して来た状態など)、すでに不足している能力を足すリハビリ:△

2.手を入れていないと、今後低下する部分へのリハビリ:△

3.麻痺側の手足などへの(麻痺自体の改善を目指した専門的な)リハビリ:×

4.家族が「よかれと思って」本人の状態を悪化させるのを控えること:〇





そして、前号では、腰かけた姿勢や仰向けの姿勢における「片麻痺の疑似体験」の方法もお伝えしました。

体験された方はお分かりでしょうが、体の左右で力の入り方(筋肉の収縮の仕方)にかなりの差(偏り)が出ますね。

どうしても麻痺していない側に頼ろうとした姿勢保持の仕方になるので、そうなってしまいます。





問題なのは、それが長時間・長期間続くと、体がゆがんだり、痛みが出たり、

もともと麻痺がある上にその筋肉を使わない姿勢になると尚更、麻痺側の筋肉がやせて使いにくいものになったりすることです。

そうなると、いざ動作をしようとしても、弱くなっている筋肉がしっかり仕事できず、転倒などの危険が高まりますね。

上記の1.の中にはいくつかの要素がありますが、ご家族などが対応でき得るものとしては、「筋力」が挙げられます。





「麻痺があるのに、筋力って向上するの?しかも家族ができるの?」と疑問に思われるかも知れませんが、

完全に弛緩した(ダランと力が入らない)麻痺以外であれば、可能性はあります。

筋力は「発揮できるパワー」のことですから、筋肉がやせてフニャフニャではパワーを発揮できません。

筋肉のボリュームや弾力感を取り戻す必要がありますね。






脳卒中などの疾患は、脳から筋肉への神経伝達ルートの途中にトラブルが起こって麻痺が出ているので、

筋肉自体には問題がない場合が多いです(それでも長期間放置すれば、筋肉にも異常が出やすくなりますが)。

筋肉自体に問題がないということは、筋肉自体が本来もっている特性は生きているので、活用できるわけです。

筋肉自体が本来もっている特性の一つに、「トントンされると、ボリュームや弾力感が増す」というものがあります。

それに関する動画を、今回はご紹介します↓





「筋トレ:高齢者や片麻痺の方向け」(2分28秒)
https://www.youtube.com/watch?v=xxYTVsBDIM0&list=PL87Hh0oDQOddlrUTKub3gp7hUxgsd26uT&index=1





動画の中では、

・「ドアをノックするように、筋肉をトントンするだけで、筋肉がつく」

・「誰にでもできるし、相手が高齢者や片麻痺(完全弛緩麻痺を除く)でも行える」

・「施す人、施される人、どちらにも負担が少ないので、継続しやすい」

などについてお伝えしています。





「筋トレ」というと一般的に、負荷をかけて行う「苦しいイメージ」があるかと思いますが、

実はトントンするだけでも、筋力は向上します。

筋肉自体のボリュームや弾力感が増すので、発揮できるパワーも増すわけです。

ラクで簡単に筋力が向上するなら、それでいいですよね。






ただし、トントンの効果を出やすくするために、対象の筋肉の緊張を高めた状態で行う、などの条件はありますが、

慣れれば簡単です。

先日作成した150本記念の動画では、その応用的なトントンの仕方やセルフの方法などもご紹介したので、

よかったら、併せてご覧下さい↓





「セルフ・リハビリ:動作中も「トントンするだけ」で筋肉をつくる」(5分24秒)
https://www.youtube.com/watch?v=7HC-u4Ar6x8&list=PL87Hh0oDQOdcuwZdbh1nlOEpvEHqFsrW7&index=2






ここで、「じゃあ、やってみようか。でも、どの筋肉を優先的にトントンすればいいのか?」という疑問が浮かびそうです。

次号では、そのことについて、お伝えして行く予定です。





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■編集後記
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世の中は「スローガン」で溢れています。

「健康のためには~をしましょう」など、たくさんありますね。

でも、実践・継続可能なものが、どれだけありますか?





言葉で言い放つのは容易ですが、

具体的な方法を示さなかったり、

継続困難なものであったりするのは、

「絵にかいた餅」なので、私が嫌うところです。

それでは、誰も救われませんからね。





私としては、出版作品や動画を通して、

一生使える便利な方法、あなたやご家族を支え続けてくれるツール

ご紹介して行きたいと思っています。





最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46