第12号:「病院などで治らなかった痛み」その5:腱鞘炎など:「使い過ぎ」と思い込んでないですか?

 

 

 

 

<第12号(2019.7.6)>

 

 

 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。
理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。








さて、第12号は、こちらです↓


■「病院などで治らなかった痛み」

  その5:腱鞘炎など:「使い過ぎ」と思い込んでないですか?


■編集後記:私自身、腱鞘炎治療で「注射」も「手術」も体験しました。それらを比べると・・


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■腱鞘炎など:「使い過ぎ」と思い込んでないですか?
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前シリーズでは、動作改善に必要な「2本柱」の話を各動作を通して、させてもらいました。

その中に登場した「動作をジャマするもの」の代表例に、「痛み」があります。




「痛み」と言っても色んな種類がありますが、薬や手術などで対応するタイプの「痛み」ではなく、

ここでは「徒手」で対応できる「痛み」と、その改善方法などについて、ご紹介して行く予定です。






さて、今回の動画は、こちらです。



「腱鞘炎など:『使い過ぎ』と思い込んでないですか?」(3分36秒)
https://www.youtube.com/watch?v=waiuEp_0k_Y&list=PL87Hh0oDQOddcjvPF-0dvutm6kVMe4eI7&index=8





動画の中では、

・「手指や手首などの腱(鞘)炎を、『使い過ぎ』が原因と思い込んでいないか」

・「全身を覆う『筋膜』が硬く伸びなくなっていると、胴体や腕の方へ筋膜が引っ張られ、(末端の)手指や手首には筋膜の『ゆとり』がない状態で関節運動を強いられるため、つらい(炎症が起こりやすい)」

・「単に『使い過ぎ』で痛くなるなら、プロスポーツ選手は毎日痛くならないとおかしい。大事なのは『柔軟性』」

などについてお伝えしています。





腱鞘炎になったことがある方はよくお分かりかと思いますが、とても痛いですね。

手指だと、朝顔を洗う時に眠気が覚めるほど痛かったり、

手首だと、窓を開けようとした際に激痛が走ったり。

いずれも日常生活に影響が大きく、ユーウツになります。





11号でお伝えした「寝違え」などもそうですが、筋膜が引っ張られて起こる痛みなのかを確かめるなら、

痛みを発している部位へ向かって、一時的にでも「筋膜のゆとり」を戻してあげればいいです。

例えば、手指の腱鞘炎があり、その「腕」を触ると硬いなら、腕をしっかりほぐした上で、筋膜のゆとりを腱鞘炎の方へ一時的に寄せてあげて(引っ張られている状態を一時的に「解除」してあげて)

腱鞘炎の痛みが軽減または消失するなら、「やはり、引っ張られていたためか」と分かりますね。





そうであれば、腱鞘炎に苦しむ部位は「被害者」で、引っ張っることでそれを起こした「真犯人」は別の部位ということになるので、

「真犯人」の方をほぐしてあげないと、他の指なども連続して腱鞘炎を起こしかねませんね。





私も過去に腱鞘炎をよくやりましたが、「リハビリの仕事で手をよく使うから」なのであれば、

「じゃあ、毎日、毎月、腱鞘炎にならないとおかしいじゃん」となります。




腱鞘炎になった時というのは、やはり、気温が低下してくる季節で筋膜が硬くなった時期だったり、

前の日に手を使った後に、(疲れで面倒くさくて)ほぐさないことが続いたりした時でしたね。

いずれも、「メンテナンス不足」であって「使い過ぎ」が原因ではありませんでした。




デスクワーカーも、「パソコンを使い過ぎだから」でなく、腕などが硬いまま手指を使っていると、同じようになりますよ。

また、高齢者が腱鞘炎で指が痛くて伸ばせなくなると、階段の手すりをちゃんと使えなくなって転落のリスクが高まったりします。






病院などで痛む部位の検査をし、そこを治療しても、原因がそこにないなら当然改善しないので、

痛みに苦しみ続けることになります。




このようなタイプの痛みは、非常によく見られますよ。

「何か月も治療に通っているのに、全然よくならない」という方は

問題がないところを、お金や時間をかけて治療し続けているのかも知れませんね。




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■編集後記
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私は自分自身の体を治療する場合は、「今後、他の患者さんの参考になるように」と思いながら、

(あまり行きたくない)病院を訪れるようにしています。



腱鞘炎の治療も、「注射」ですぐ良くなる方法と、腱の鞘(さや)を「手術」で取り去ってしまう方法と

両方をあえて体験したのも、そんな意図からでした。




両方を比べた結論としては、どちらも当然、メリット、デメリットがあり、以下のような感じになります。


<注射:メリット>

・日帰りで済む(注射自体は数秒で終わる)。
・注射を打った後、すぐに痛みがなくなる。


<注射:デメリット>

・かなりイタイ(薬剤が注入される時、相当イタイ)。
・再発の可能性がある(すぐに再発はしないが、時期が経つと、私も同じ指に再発しました)。
・同じ部位には2回程度までしか打てない(何度も打つと、腱が弱くなって切れる危険性がある)。




<手術:メリット>

・再発しない(肥厚した腱と鞘とがこすれて痛んでいたが、鞘を取り除いてしまうから、こすれようがなくなる)


<手術:デメリット>

・受診から手術まで手続きなどが面倒(当然、1日で終わらない)
・手術は部分麻酔で行うため、目の前で自分の手が切開される。
・手術に完璧はない(人間が行うので、リスクはある)。




いかがでしょうか?

いずれにせよ、腱(鞘)炎を防げるに越したことはないので、

普段から全身の柔軟性を保てるといいですね。





最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


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