第7号:「歩行」動作に足りないものと、ジャマするもの

 

 

 

 

<第7号(2019.6.1)>

 

 

 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。
理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。



第7号は、こちらです↓

■「歩行」動作に足りないものと、ジャマするもの

■編集後記:視聴記録によると、こういう動画が人気のようです


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■「歩行」動作に足りないものと、ジャマするもの
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メルマガ第2号(バックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w50)でご紹介した

動作改善におけるシンプルな「2本柱」の具体例に関して、

寝返り(第4号)→起き上がり(第5号)→立ち上がり(第6号)とお伝えして来ています。

前号で立ち上がったので、今回は歩き始める(歩く)、という「歩行」段階のお話です。




「2本柱」とは、

1)動作に足りないものは足し、

2)動作をジャマするものは取り除く。

これだけです。




1)は、「筋力」であったり、筋肉たちを「連動させるシステム」だったりしますし、

2)は、体(筋膜、筋肉)の「硬さ」だったり、「痛み」だったりします。




この2本柱が動作改善の「幹」の部分で、世の中に存在する様々なテクニックは、そのための「手段」・「枝葉」ということですね。

なので、「幹」を捉えていれば、道に迷うことはありません。あとは「手段」を知ればいいだけですから。

その「手段」も、簡単かつ安全で、労力の負担の少ないものが良いので、レナト式リハビリでは、そういうものに厳選してあります。




余談ですが、リハビリ専門職でも、「手段」・「枝葉」ばかり集めて「幹」を捉えていない人は、どこへ進んで行けば良いか分からず

道に迷ってしまう(患者さんやご家族、リハビリ専門職の後輩などを道に迷わせてしまう)ので、困った存在になってしまいますね。






さて、今回の動画は、2つあります。

1)は、歩行に不足するもの、

2)は、歩行をジャマするもの、です。




1)「まとめて改善:一歩が出ない、すり足・小刻み歩行、つまずき、階段昇降など」(3分44秒)
https://www.youtube.com/watch?v=KjTUMHeQfYg&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=5




2)「歩行:夜間のトイレへの歩行が不安定になる要因」(2分26秒)
https://www.youtube.com/watch?v=CoWwS8diSVA&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=11








動画の中では、

・「体重移動は骨盤で行うが、それを支える主役は『お尻まわりの筋肉』である」

・「しっかり体重移動できないと振り出す脚に体重が残ってしまい、すり足や小刻み歩行などの要因になり得る」

・「階段や浴槽のまたぎ動作では尚更、浮かせる脚の滞空時間をかせぐべく、お尻まわりの筋力が更に必要」

・「そもそも、体重移動のための骨盤移動を、硬くなった筋膜がジャマすることもよくある」

などについてお伝えしています。




1)の動画には大事な要素をいくつか入れてあるため、やや長いですが、

 それでも、視聴回数や視聴時間からしても、人気のある動画となっています。




2)の動画は、1)と変わらないくらい大事な内容(骨盤の動きを硬い筋膜が抑えてしまう)ですが、

 地味な要素のせいか?、臨床ではこれに気付かない治療者が多いですね。






「歩行」は高度な動作なので、その実現には色んな要素がありますが、

ざっくり捉えれば、「上半身を(2本の脚で)運んでいく動作」と言えます。




2本の脚で交互に支えるため、それぞれへ「体重移動」ができないと実現しませんし、

「上半身」を支えきれず「落下」させてしまうと、「転倒」ということになりますね。




しかも、上半身を運ぶ際、片方の脚がしっかり浮かないと、「すり足」や「小刻み歩行」、

「つまずき(転倒)」などといった現象につながります。





特に、在宅生活を送る高齢者やご家族からリハビリに依頼がある際は、

「何度も転倒してるので、なんとかして欲しい」というリクエストが、かなり多いです。




何度も転倒しているということは(各転倒の仕方にもよりますが)

物理的な支えが出来ていなかったり、

体重移動を妨げていたりすることに、何も介入がなされていないために、

何度も同じことを繰り返している可能性が高いですね。




これまで大ケガにつながっていなければ、「幸運だった」と捉えた方が無難です。

今後は、転倒しにくい物理的な「根拠」をしっかり作って、

「運」ではなく「実力」で、歩行が安定するようにして行きましょう!




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■編集後記
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動画作成は100本を超えても、少しずつ続けています。

作成者は視聴記録が確認できるので、どういう動画がよりニーズが高いか見てみると・・


ジャンルとしては、

・痛み
・片麻痺(脳卒中)
・介助方法
・動作分析の方法(リハビリ専門職向け)
・姿勢改善

などが上位に来ています。




やはり、「痛い」と大変ですし、

片麻痺や介助など「困る」ことが多いものも、上位に来ますね。




意外だったのは、リハビリ専門職向けに(少しだけ)作成している「動作分析」に関するものでした。

(実際の視聴者が専門職かは不明ですが、そう仮定します)




私は主に、専門職以外の方がリハビリを簡単かつ効果的に行えるように、執筆や動画作成をして来ているので、

専門職の方からも必要としてもらえているなら、単純に嬉しいです





最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46