第111号:レナト式リハビリのフロー15:立ち上がりが不安定3

 

 

 

<第111号(2021.6.5)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

第97号からは新シリーズ(レナト式リハビリのフローに関するメルマガ)を開始しています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







最近は自分のホームページにて「レナト式リハビリのフロー」を作成中です(URLは、このメルマガの一番下にもあります)。

例えば、高齢者の在宅生活でよくある現象(転倒した、立ち上がりにくくなったなど)からフローで進み、

その考え得る仕組みや、対応するには「レナト式リハビリ」の中でもどの方法を使うか、などをお伝えしようとするものです。

フロー「チャート」というほどのものではないのですが、ご覧になった方が情報を参照しやすくなればと願っています。







このホームページのフローは以前から作りたかったもので、色々と情報を詰め込みたいのですが、

「文章長すぎ・情報量多すぎ」になると、せっかくのフローなのに「流れにくくなりそう」なので(苦笑)、

できるだけシンプルな内容に収めようとしています。

そのかわり、ホームページに載せなかった内容や補足などを、このメルマガでお伝えする形にして行きたいと思っています。










第111号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー15

  「立ち上がりが不安定3」



■編集後記:ずば抜けた才能は「周囲のために使ってこそ」ですね



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■レナト式リハビリのフロー15

  「立ち上がりが不安定3」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「在宅生活の継続(入院や施設入所をしない生活の継続)」↓

「あなたの高齢のご家族は、最近実際に転倒しましたか? 」↓

「No(転倒していないが、動作が不安定)」↓

「不安定なのは、どのような動作(場面)ですか?」↓

「立ち上がり」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w205










今回も、(イスやベッドからの)「立ち上がり」動作が不安定な場合の「続き」です。

「立ち上がり」に関しては、上記のURLページでもお分かりの通り、比較的要素が多いため、数回に分けてお伝えする予定です。

前回までは「頭の位置が下がっていると、ラクで効率の良い立ち上がり動作が、物理的に困難」

「頭を高い位置まで戻すのに、まずは身体の中心かつ力の拠り所である『お腹(腹筋)』が自動的に仕事しやすいようにする」という話をさせてもらいました。








今回はそこまでのアプローチが済んでいる前提で、「腹筋改善だけでは、まだ頭が高い位置に戻れていないケース」のお話に進んで行きます。

まず注目しないといけないのは、腰掛けた際に上半身を支える「土台」となる「お尻(骨盤)」の状態です。

分かりやすい例で言うと、お尻の筋肉に左右差があると(ボリュームや弾力感に左右差があると)、腰掛けた際に骨盤が横に傾いてしまいますね(やせているお尻の方へ傾きます)。

例えば、土台が右に傾くと、土台の上に載る上半身は右に倒れまいとして反対側(左)へ立ち直ろうとします。その結果、いびつに「ゆがんだ」上半身となり、頭の位置も低くなってしまいます。










「では、お尻の筋トレをすればいいじゃないか」となるのですが、若い人がやるような「殿筋トレ」は負荷が大きいため、高齢者には不向きです。

しかも、「ゆがんだ体」で大きな反復運動を強いられると、腰などが痛くなりそうですね。

そういう理由もあってか、高齢者などの「やせたお尻」は、大問題なのに放置されがちです。

ならば、ご本人がほとんど何もしなくても、ご家族が安全・カンタンにお尻の筋肉をつくれる方法があれば、どんなに便利で重宝するか、ということになります。

そういう方法を詳しくご紹介したのが、上記URLページ内の「関連書籍」の二つ目でご紹介している「その2 身体の土台をつくる」です。

高齢者に限らず、脳卒中後遺症で片麻痺になっている人だと、お尻の筋肉の左右差が顕著な場合が多いですし、一般の人でも「脚を組んで」腰掛けることが多い人などでは左右差が見られますよ。








余談ですが、ご家族が(立ち上がり動作などの)介助をする場合は、介助する前にご本人の姿勢をマネしてみることをおススメします

今回のケースで言うと、骨盤が横に傾き、上半身が反対側に立ち直るような姿勢を、ぜひマネしてみて下さい。

その状態で立ち上がろうとすると、どんな感じになるか(どれだけ動きにくいか)を体験するだけでも、

介助方法を工夫したくなったり、お尻の筋肉をつくって土台を左右均等にし、体のゆがみを適正化してあげたくなりますよ。

それに、ご本人の体が左右均等化し、効率良く動ける姿勢になった方が、介助するご家族が結局はラクになることも実感できるでしょう。










今回で「土台(お尻の筋肉)へのアプローチ」までを終えたことになりますが、

土台が左右均等になっても、その上に載る上半身が横に傾いたまま、というケースがあります。

上半身の「側方の柱(ウエストの筋肉)」に左右差がある場合などにそうなりやすいので、

次回はそういう話に進んで行きましょう。









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■編集後記
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最近は特に、世間では暗い話題が多いので、今日は明るい題材にしたいと思います。

アメリカのプロ野球(大リーグ)で打者・投手の二刀流で活躍する大谷クンが、今日は投手として2勝目をあげたようですね。

日本から移籍して、手術やリハビリなどを経て、今シーズンは色々と能力を発揮できているようです。

アメリカでも大注目の存在ですし、日本人としては嬉しいですね。






素材(素質)として「ずば抜けている人」というのは、どういう分野にもいます。

しかし、「周囲とのギャップをどう処理しているか」は、人それぞれですね。

説明する努力をしても、周囲が理解できないレベルにあるため、どうしても「孤高」な状態になってしまうケースもあるでしょうし、

大谷クンのように比較的「うまくやれている」ケースもあるでしょう。

どれも、良い悪いの話ではないので、本人の心が苦しくないかどうかに焦点をあててみます。







先日Amazonにて発売になった新作(心のセルフ・ケア関連)でもお伝えしましたが、

人間は、自分の価値を認めて欲しいという「強い承認欲求」があると、どうしても他者を見下してしまいたくなります。

自分以外の人に対し、「オレに比べて、お前は出来ていない」という感じで、ネガティブな気持ちで他者を否定してしまうと、

本人の心が結局、重く苦しくなってしまいかねません。周囲からの反発も買いやすくなるので、なおさら心が重く苦しくなりやすいですね。







日本は武道やスポーツなどでも、相手への「礼」を重視します。

相手がいてくれるからこそ、自分の能力や努力を発揮する「場」が与えられることに感謝するわけですね。

もし、あなたが「自分はこれだけ努力して結果を出しているのに(周囲は出来ていない)」という具合にストレスに感じているなら、

その当たりを見直してみると良さそうです。

あなたの「ずば抜けた能力」は、それを必要とする周囲の人々ために発揮されてこそ、活かされ,昇華するわけですからね。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172