第85号:在宅生活の環境整備15:人的環境⑤ ~強いると逆効果なのは、ストレッチも同じです~

 

 

 

 

<第85号(2020.12.5)>

 

 

 


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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています







最近は、「在宅生活の環境整備」に関する動画をご紹介しています

もともと、超高齢社会で病院のベッド数が不足したり、

高齢者施設は(職員不足で)入所制限がかかったり、と

病院や施設に入れないから「自宅で」「在宅医療を」という人が増える傾向にありました。







仮に施設などに入れるとしても、住み慣れた自宅で何とか生活を続けたい人や、

経済的な問題で(在宅医療の方が費用が抑えられるという理由で)在宅生活の継続を選ぶ人も少なくありません。

ならば、少しでも在宅生活を継続できるよう、留意点や工夫などをご紹介して行きます。

今回からは「環境要因の一つである、人的環境(ご本人や周囲のご家族など)」に関する動画をご紹介します。








第85号は、こちらです↓


■在宅生活の環境整備

  「人的環境5 ~強いると逆効果なのは、ストレッチも同じです~」



■編集後記:筋肉も食材も、「対話しながら」




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■在宅生活の環境整備

  「人的環境5 ~強いると逆効果なのは、ストレッチも同じです~」


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「自分自身のこと」は意外に自分で分かっていないように、

「自宅」のことも、意外に分かっていない場合があります。

そのために「転倒で大ケガ→入院→施設入所→自宅へ戻れず」とならないように、

こういうことに留意して下さいね。↓







「【よくある逆効果や誤解】ストレッチ:伸ばしたいのに、縮こまらせてしまう場合」(3分27秒)
https://www.youtube.com/watch?v=HlZ9kOfQLM8&list=PL87Hh0oDQOdcb7NKP-9oTXixJZFUIovp3&index=1








動画の中では、

1.「伸びづらい筋肉や筋膜をストレッチしようとすると、『逆効果』になる場合がある」

2.「全身的に硬く伸びづらい状態なのに動かそうとすると、腕や脚などの『つけ根』付近に大きなストレスがかかる」

3.「断裂を嫌がる筋肉・筋膜は防御的に縮こまろうとするので、ストレッチが目的なのに、真逆の結果になりやすい」

などについてお伝えしています。









体が硬くなった人に対して、ご家族がマッサージやストレッチをやってあげたくなる気持ちは察します。

ただ、更に硬くして「逆効果」になっているなら、お互いに残念なので避けましょう。

特にストレッチに関しては、全身の筋膜が硬い状態のまま四肢を持って動かそうとすると、

その「つけ根」付近へのストレスが大きいため、要注意です。ほぐしてから行う必要があります。







筋膜が縮こまる要因はいくつかありますが、気温の低下も大きな要因で、

日に日に気温が低下する今の季節は正にそういう条件下にあります

全身的に縮こまり、局所的なストレスにさらされる部位が痛みを発しやすくなりますので、

例えば、眠っている間に気温が下がり体が冷え、朝動き出そうとすると「痛い!」となりやすくなります。

できれば暖房なども使って、体を冷やさないようにして下さいね。










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■編集後記
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前回は童話の「北風と太陽」を引用しました。

無理強いされると嫌がる(逆効果になる)のは、人の気持ちでも筋肉でも同じですね。

今回はそれを「ストレッチ」にあてはめてみましたが、脳卒中後遺症の片麻痺(過緊張タイプ)も同じです。

次回は、そういう話をメインに動画をご紹介する予定です。








余談ですが、マッサージする際にも、「筋膜や筋肉との対話」が大事になります。

治療者は、相手の体に手をあてて、筋膜や筋肉が「許してくれる方向」からほぐし始めると、無理なく早く目的を果たせます。

逆に、そういうことを気にせず、「いつもこの方向へほぐしてるから」というような感じで無理にグイグイやると、

筋膜や筋肉は「そっちの方向は許してない(すごく硬い)から、やめて!」と、やはり防御的に収縮し、「逆効果」になりやすくなります。








こういうのは、シェフが料理する際に「食材と対話」することと、本質的に同じかも知れません。

「この食材は、こう調理されたがっている(逆に、こういうのは望んでいない)」という風に、

食材の状態を確かめながら臨機応変に、その食材が最も活かされる調理法をその場で選びます。

「いつもこう調理してるから、今回もやるんだ」という人では、名シェフにはなれそうにないですね(多分)。















最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


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