第83号:在宅生活の環境整備14:人的環境③ ~リハビリを拒否するご本人への対応~

 

 

 

 

<第83号(2020.11.14)>

 

 

 


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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています







最近は、「在宅生活の環境整備」に関する動画をご紹介しています

もともと、超高齢社会で病院のベッド数が不足したり、

高齢者施設は(職員不足で)入所制限がかかったり、と

病院や施設に入れないから「自宅で」「在宅医療を」という人が増える傾向にありました。







仮に施設などに入れるとしても、住み慣れた自宅で何とか生活を続けたい人や、

経済的な問題で(在宅医療の方が費用が抑えられるという理由で)在宅生活の継続を選ぶ人も少なくありません。

ならば、少しでも在宅生活を継続できるよう、留意点や工夫などをご紹介して行きます。

今回からは「環境要因の一つである、人的環境(ご本人や周囲のご家族など)」に関する動画をご紹介します。








第83号は、こちらです↓


■在宅生活の環境整備

  「人的環境3 ~片麻痺の人も、ただ歩かせると『逆効果かつ悪循環』に~」



■編集後記:ムキになると、ロクなことがないですね




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■在宅生活の環境整備

  「人的環境3 ~片麻痺の人も、ただ歩かせると『逆効果かつ悪循環』に~」


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「自分自身のこと」は意外に自分で分かっていないように、

「自宅」のことも、意外に分かっていない場合があります。

そのために「転倒で大ケガ→入院→施設入所→自宅へ戻れず」とならないように、

こういうことに留意して下さいね。↓







「【よくある逆効果や誤解】片麻痺:ゆがんだまま運動させると、逆効果に」(4分22秒)
https://www.youtube.com/watch?v=3HGdEd4dybQ&list=PL87Hh0oDQOdclnaYJOjpn-gSEZiZqfh5P&index=3








動画の中では、

1.「過緊張タイプの片麻痺の人をただ歩かせるだけだと、状態が悪化しやすい」

2.「体のゆがみが強まり、そのせいで更に過緊張状態になり『悪循環』から抜け出せなくなる」

3.「左右均等の姿勢など『好循環』な状態にできるだけ戻してから歩いた方が、頭打ちになりにくい」

などについてお伝えしています。









前々回からは在宅環境の中でも「人的環境」として、ご本人や周囲の人(ご家族など)からの影響を取り上げています。

今回のお話は、前回の話を片麻痺の人に当てはめたもので、

ご家族など周囲の人が、ご本人に無理に「歩かせよう」としてしまう場合です

(ご本人が自ら無理する場合も、似た結果になるので、含みます)








片麻痺でない人でも、ただ歩かせるだけでは、弱い部位は弱いまま残りやすく、

歩行距離や速度が「頭打ち」になりやすいことは、前回お伝えしました。

片麻痺(過緊張タイプ)の人の場合は、不安定なまま歩こうとすると、

そこに「更なる過緊張」が加わるため、「悪循環」にハマりやすくなってしまいます。








体の支えの左右差が大きいまま歩こうとすると、当然不安定な動きになり、

不安定な動きをしていることが脳に伝わると、更に過緊張になる「悪循環」です。

それを好転させるには、体の支えを先に整えてあげることが大事ですね。

「レナト式リハビリ」は、カンタンな方法で、体の土台から立て直しますよ。









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■編集後記
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過緊張タイプの片麻痺の人で、体の支えなどが整うのを待たず無理に動くタイプの人は、

男性に多い印象があります。

良く言えば「必死にがんばる人」なのですが、

悪く言うと「ムキになってしまう人」です。








その人のもともとの性格なのかも知れませんし、

社会の中で闘ってきた結果、体にこびりついてしまった「観念」なのかも知れません。

がんばって結果を出して来た人ほど、

もしかしたら「がんばらずにいられない」のかも知れませんね。









しかし、しかし、なのです。

動きにくい体を無理に動かそうと「がんばっても」、

更に過緊張になり、体もゆがみ、動きは更に不安定になる「悪循環」にハマっていると、

その「がんばり」は逆効果にしかなっていないという、なんともやるせない状況になってしまいます。








「こんな苦しい状態で、こんなにがんばっているのに!」と

ご本人の心の叫びが聞こえて来そうな人が何人もいました。

しかし、治療者からすれば「リラックスして欲しい」のです。

「がんばらない」でいて欲しいのです。その方が「好循環」に戻しやすくなります。









口でそう説明しても、不安定さや苦しみから自動的にがんばってしまう人や、

「がんばってナンボ」という観念がこびりついてしまっている人がいるので、

私の場合は、できるだけ早く体の支えをつくり、体の安定によってリラックスが物理的に起こるようにしていました。

それを実感してもらうことで、「逆効果なことを自分がしていた」と認識してくれる人は改善に向かうのですが、

「がんばることに執着する人」は、せっかく得た「リラックス」を自ら手放すような無理を、また行ったりします・・。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46