第76号:在宅生活の環境整備6:「TV」の位置や向きで、転倒リスクが高まる

 

 

 

 

<第76号(2020.9.26)>

 

 

 


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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています







最近は、「在宅生活の環境整備」に関する動画をご紹介しています

もともと、超高齢社会で病院のベッド数が不足したり、

高齢者施設は(職員不足で)入所制限がかかったり、と

病院や施設に入れないから「自宅で」「在宅医療を」という人が増える傾向にありました。







仮に施設などに入れるとしても、住み慣れた自宅で何とか生活を続けたい人や、

経済的な問題で(在宅医療の方が費用が抑えられるという理由で)在宅生活の継続を選ぶ人も少なくありません。

ならば、少しでも在宅生活を継続できるよう、留意点や工夫などをご紹介して行きます。








第76号は、こちらです↓


■在宅生活の環境整備

  「『TV』の位置と向きで、転倒リスクが高まる」



■編集後記:部屋の中の物を減らしましょうね





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■在宅生活の環境整備

  「『TV』の位置と向きで、転倒リスクが高まる」


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「自分自身のこと」は意外に自分で分かっていないように、

「自宅」のことも、意外に分かっていない場合があります。

そのために「転倒で大ケガ→入院→施設入所→自宅へ戻れず」とならないように、

こういうことに留意して下さいね。↓







「【在宅生活の環境整備】『TV』の位置と向きで、転倒リスクが高まる」(3分17秒)

https://www.youtube.com/watch?v=5KGhxKszhCI&list=PL87Hh0oDQOdeUBEyBBSF_5nPIYjIR7rnG&index=6








動画の中では、

1.「正面でなく斜め前にあるTVを観ていると、体に悪影響が出てくる」

2.「特に長時間・長期間その状態で過ごす高齢者には、影響が出やすい」

3.「最も困るのは『(片側の)お尻の筋肉の低下』で、顔を向ける方向の影響を受ける」

4.「お尻の筋肉が痩せると、踏ん張れないだけでなく、転倒につながる」


などについてお伝えしています。









左右不均等な姿勢を長時間・長期間とると、体がゆがんできますね

例えば、デスクワークの人が片方の脚ばかり組んでいると、骨盤や背骨がゆがんでくるように。

今回のお話は、TVの位置や向きの影響で、(骨だけでなく)大事な「お尻の筋肉」にも影響が出ます、というものです。

部屋が広くない場合、TVや座る位置を変えられない場合がありますもんね。








動画の中でもご紹介していますが、

腰掛けたり、両脚を投げ出して座っている状態で顔を右へ向けると、お尻への荷重は左に偏ります。

これは「運動連鎖」による自動的な現象なので、誰しもそうなります。

問題は、それが長時間・長期間続くと、お尻の筋肉に「左右差」が出来てしまうことです。









あまり体重が載らなくなった右のお尻の筋肉は、

重い上半身を支える仕事が減ったため、筋肉が痩せてきます。

痩せてフニャフニャになってくると、いざ踏ん張らねばならない場面で力不足になりますね。

重い上半身を支えられない=上半身が落下する=転倒、となるので要注意です。









どうしてもTVや座る位置を変えられないなら、

痩せてくるお尻の筋肉を「レナト式リハビリ」で「トントン」してあげると、

筋肉のボリュームや弾力感が増す(増したところで維持できる)ので、ぜひ、やってみて下さいね。

TVの位置や向きのせいで、在宅生活が終了してしまうのは、もったいないですからね。

















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■編集後記
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前回の編集後記では「物に執着せず、手放すとスマートです」という話をさせてもらいましたが、

今回の、部屋が広くなくてTVや座る位置を変えられないことと、無関係ではないですね。

やはり、部屋が物であふれてくると、配置換えが困難になります。

「どんどん手放して(捨てて)、TVの位置を変えられるスペースを生み出す」ことができるといいですね。







今回の動画では「お尻の筋肉」の話を最優先しましたが、

右の方を向いて長時間・長期間過ごすと、

骨盤や背骨もゆがみますし(背骨は、後ろから見て、左に出っ張った「くの字」になって来ます)、

左の肩甲骨は外側へズレて、「コリ」の要因にもなります。







人間の体は常に「環境に適応しよう」としているので、

負の変化も常に起こり得るようになっています。

高齢者だと負の変化が進むスピードが比較的早い印象なので、

お尻の筋肉の左右差など、マメに確認してあげて下さいね。










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46