第71号:在宅生活の環境整備1:床上にある、意外に「超危険なもの」

 

 

 

 

<第71号(2020.8.22)>

 

 

 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています







今回からは「在宅生活の環境整備」に関する動画をご紹介して行きます。

もともと、超高齢社会で病院のベッド数が不足したり、

高齢者施設は(職員不足で)入所制限がかかったり、と

病院や施設に入れないから「自宅で」「在宅医療を」という人が増える傾向にありました。







仮に施設などに入れるとしても、住み慣れた自宅で何とか生活を続けたい人や、

経済的な問題で(在宅医療の方が費用が抑えられるという理由で)在宅生活の継続を選ぶ人も少なくありません。

ならば、少しでも在宅生活を継続できるよう、留意点や工夫などをご紹介して行きます。








第71号は、こちらです↓


■在宅生活の環境整備

  「床上にある、意外に『超危険なもの』」




■編集後記:日本の家屋は、色々たいへん!





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■在宅生活の環境整備

  「床上にある、意外に『超危険なもの』」

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「自分自身のこと」は意外に自分で分かっていないように、

「自宅」のことも、意外に分かっていない場合があります。

そのために「転倒で大ケガ→入院→施設入所→自宅へ戻れず」とならないように、

こういうことに留意して下さいね、というのが今回からの動画です







「【在宅生活の環境整備】床上にある、意外に『超危険なもの』」(3分52秒)

https://www.youtube.com/watch?v=VnvYtQi0m1s&list=PL87Hh0oDQOdeUBEyBBSF_5nPIYjIR7rnG&index=1








動画の中では、

1.「床上(動線部)には、基本的に物が置かれていない方が無難

2.「紙類、特に『チラシ』は、踏みつけると滑り易いので、非常に危険」

3.「そのような『事故』で最初の骨折をする人は少なくない」

4.「2回目以降の転倒や骨折は、初回骨折の影響で起こり得るため、初回の事故が悔やまれる」


などについてお伝えしています。









チラシなどの紙類は、読み終わった後に「何気なく」床に放置しやすいですし、

部屋の中を歩いて移動中は視線が高目であるため、足元をよく見ていない場合に踏んでしまいやすいと考えられます。

しかも、ツルツルした素材のチラシは、畳の上などに置かれていると、

見事なまでに滑りますよね(バナナの皮の比ではない?かも知れません)。









そのような不注意や不運な「事故」で1回目の転倒や骨折をした時は、「身体能力の低下」のせいではなかったのですが、

その後、骨折した関節付近の筋肉などをしっかり取り戻していないと(体の支えが不十分な状態だと)、

今度はその「支えの弱さのせいで転倒」しやすくなります。

これは「身体能力の低下」のために「物理的に・必然的に」起こるので、決して「偶然的な事故」ではないわけですね。









「転倒を繰り返す人を自宅に置いておけない(家族がみていられない、独居生活をさせられない)となれば、

施設入所を検討せざるを得なくなって来ます。

しかし、ご本人がそれを拒否するケースがあり、ご家族が困ってしまいます。

本来は施設入所した方がいい状態なのに自宅で過ごすために様々な「無理が生じて」、

その「ギャップ」を埋めようとする在宅サービス系のスタッフ(ケアマネや訪問関連職)にも影響やストレスを与える結果になります








ただ、今後は諸事情から在宅医療を選択する人が増えそうなことから、

「(在宅継続は多少無理があるけど)じゃあ、どうすれば良いか?」、

「どういう工夫をすれば、在宅生活を続けられる可能性が高まるか」という方向の情報が必要になりそうです。

私からの情報も、微力ながら、お役に立てば幸いです。






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■編集後記
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私は訪問リハビリで色んなお宅に行かせて頂きましたが、

比較的新しいマンションなど以外は、身体能力が低下した人には大変な造りになっていることが多いです。

いわゆる和式な建築は段差だらけですし、集合住宅は古い団地だと階段しかなかったり(エレベーターがなかったり)、

持ち家では階段の形状があぶなっかしいものだったり・・。







若くて身体能力が高かった頃には何でもなかった家の造りは、

歳をとって身体能力が低下すると、一気に「バリアー(障害、障壁)」に変わります。

ご自宅によっては、「アスレチックか!?」と言いたくなるほど「バリアー」だらけの所もありますね。

諸事情で在宅医療・在宅生活を継続する人が増えるなら、ご自宅は安全な環境であって欲しいのですが、

なかなか「ままならない」のが日本の現状のようです。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


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