第68号:身体能力低下の兆候2:もうすぐ「起き上がり」が困難になるかも

 

 

 

 

<第68号(2020.8.1)>

 

 

 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています







現在は、まだまだコロナ・ウイルスの影響下にあるため、

外出を控えたりしていると、特に、高齢者などは身体能力が低下しやすくなります。

身体能力の低下は(事故などを除いて)基本的に「100→0」のような極端なものではないので、

大きな変化の前には「兆候(シグナル)」を、ご本人が発していることが多いです。

前回からは、それをテーマにした動画のご紹介を始めています。









第68号は、こちらです↓


■身体能力低下の「兆候」

  「起き上がり:こういう現象が見られたら、もうすぐ困難になるかも」




■編集後記:コロナでも「シグナル」を放置したら、大変なことになってますね




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■身体能力低下の「兆候」

  「起き上がり:こういう現象が見られたら、もうすぐ困難になるかも」

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身体能力低下の「兆候(シグナル)」にはいくつかありますが、

基本的には各シグナルには関連があり、決して別物ではありません

前回お伝えした「転倒のシグナル」で、上半身の制御がしづらくなり、

腰掛けや寝転がり時に上半身を「ドサッと」落下させてしまうシグナルと、今回のシグナルは関連します↓






「【家族もできるリハビリ】起き上がり:こういう現象が見られたら、もうすぐ困難になるかも」(3分10秒)

https://www.youtube.com/watch?v=5z83pkznCuE&list=PL87Hh0oDQOdezsvizh7g4wxj2WvUapVz4&index=2








動画の中では、

1.「『起き上がり動作』を行うには、重い上半身を空中に浮かさねばならず、そのための『力の拠り所』として体幹(お腹やウエスト)に力が入らないと実現しない」

2.「もうすぐ上半身を浮かせられなくなる兆候(シグナル)としては、主に2つある」

3.「一つは、ベッドに寝転がった際に、両脚をベッド上に引き上げられない現象」

4.「もう一つは、ベッドから起き上がろうと両脚をベッド外へ出した際に、ダランと両脚が落下する現象」


などについてお伝えしています。








2つのどちらも、「体幹」が弱くなり、踏ん張れない(制御できない)ために現れるシグナルです。

いつもはご本人が自分で寝転がれるのに、急に「両脚をベッドの上に載せるの手伝ってくれる?持ち上がらないの」と

言い始めたら、要注意ですね。筋力低下などの物理的な変化であれば、精神論ではカバーできません。

そうなると、仮に(ベッド柵などを使い)まだ自力で起き上がれても、両脚の落下を制御できない現象など、

体幹の制御がきかなくなってきている別なシグナルも併せて発しやすくなります。










このシグナルを放置すると、体幹の能力が更に低下し、いよいよ「起き上がれない。助けて」という状態になりかねません。

そうなると、介助量も増えて介護者も大変ですし、ご本人も精神的にショックがあり得ます。

ご本人が独りで移動できないことにもなるので、色々と大変かつ「悪循環」にハマりかねません。

ご本人とご家族が「共倒れ」の方向へ進むシグナルにもなりかねないので、早目に介入した方がいいですね。










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■編集後記
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「シグナル」を捉えて対応することの大事さは、

今回のコロナ・ウイルス騒動でもイヤというほど味わわされていますね。

感染者数の変化などのシグナルを見て、「ヤバいかも」と感じる人は少なくないのですが、

人間には「正常性バイアス」という、問題を過小評価する機能が働きやすく、

「まあ、様子をみるか。大丈夫かも知れないし」という対応をしかねません。

その結果、どうなるかは今回の騒動の通りです(素早く対応しようとした人は、いるでしょうけど)。










高齢者などの動作の変化もしかりで、

「あれ?、なんかいつもと動きが違うね」と、一緒にいるご家族がシグナルに気づけるといいですね。

せっかく気づいたなら、「たまたまだろう」と意識外にしない方が良いです。

リハビリ専門職が関わっているケースなら相談してみればいいですし、

関わっていないケースなら、このメルマガや動画などを参考にしてみて下さいね。

















最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46