第60号:介助方法「立ち上がり編:その1 相手の肩甲骨を使って、無理なく誘導」

 

 

 

 

<第60号(2020.6.6)>

 

 

 

 

 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています






現在はコロナウイルス騒動の渦中にあり、高齢者がデイサービスなどに行けないケースも出ているため、

「介助方法シリーズ」をお送りしています(以前、別なシリーズで登場済の介助関連動画も、必要に応じて再登場させる予定です)。

コロナ騒動前のような運動やリハビリが出来ていないと、高齢者の身体能力(動作能力)は低下しやすく、

低下した分は誰かが(特にご家族が)補う必要があるため、「介助量」が増えやすいですからね。







60号は、こちらです


介助方法「立ち上がり編:その1」

  【立ち上がり介助】肩甲骨を操作して、ラクに立ってもらう方法



編集後記:相手の頭が高い位置にないと、立ち上がりは大変です



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【立ち上がり介助】肩甲骨を操作して、ラクに立ってもらう方法
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前号までで、臥床起き上がって腰掛け座位の状態まで介助しましたので、

今回からは、「立ち上がり」の介助に進みます。

車椅子への移乗にせよ、そのまま歩くにせよ、

立ち上がり動作が必要になりますからね









「【立ち上がり介助】肩甲骨を操作して、ラクに立ってもらう方法」(4分32秒)

https://www.youtube.com/watch?v=LJ1BZsRvjPM&list=PL87Hh0oDQOdcvOYWW0DkyEWhprXi-jWff&index=5






動画の中では、

1.「レナト式リハビリでは、頭の位置が(ご本人が自分で無意識に)高い位置で保てるようにして行く」

2.「それまでの間は、介助で頭の位置を高くしてあげることで、重力を利用した効率の良い動作を介助で誘導する」

3.「誘導は相手の左右の肩甲骨を使い、相手の頭の位置を無理なく高くする」

4.「生来の『運動連鎖』のシステムを活用するので、介助者も相手もラクで効果的」

などについてお伝えしています。

今回の動画は、このメルマガのNo.39でもご紹介しましたが、大事な要素なので、情報を補足しながら、再度取り上げます。







「運動連鎖」とは、人間が生まれながらに持っている、動作の「効率化システム」です。

例えば、アゴを引き続けると、背骨が「自動的に」曲がって来ますね。

背骨を曲げるつもりがなくても、アゴを引く動作と「連動(連鎖)」するように出来ています。

逆に、「連動(連鎖)」しないと、動きが途切れ途切れになって「非効率」ですからね。






背骨は、アゴだけでなく、「肩甲骨」とも「連動(連鎖)」します

背筋を伸ばした状態の肩甲骨の位置と、

猫背になった状態での肩甲骨の位置とを比べてみると、

動画の中でご紹介しているような動きの違いがあります。






ならば、この肩甲骨の動きをサポートしてあげれば、

相手の体の背骨を「無理なく」起こせることになります。

背骨を起こす目的は、頭の位置を高くして、

(重力を利用した、本来の)ラクな立ち上がり動作へ近づけるためですね。






次号も「立ち上がり」介助のお話ですが、

「頭の位置を高くできれば、それで全てOKか」というと、

脚の筋力発揮とも「連動」させてあげた方がラクに立てますし、

脚の力を発揮するには「お腹」に力が入らないと実現しません。

そのあたりを、介助でカンタンに行う方法をご紹介する予定です。







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編集後記
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デスクワーカーなど、長時間「猫背」で過ごす人は、

左右の肩甲骨が外側(かつ上方)へ寄ってしまい、

肩甲骨が元の位置へ戻りたくても、硬くなった肩甲骨周囲の筋肉たちがそれをジャマするため、

猫背が固定化してしまう人も見かけます。







高齢者施設などでも、イスや車椅子に長時間座っている人を見ると

体幹の支えの弱さにより背骨が曲がり、頭の位置が低い人が大勢います。

相手の頭の位置が低いまま、立ち上がり介助を行おうとしても、

相手の体重(=上半身の重さ)を利用できず、その分「筋力」でなんとかせねばならないため、

介護スタッフは大変な作業になってしまいますね。







レナト式リハビリでは、

ご本人の体幹の支えをカンタンにつくる方法を、出版作品の中でご紹介しています。

リハビリ専門職でないご家族が行えるものなので、よかったらご覧下さい。

ご本人が自分で動ける割合が増えるほど、介助者がサポートしなければいけない割合が減りますからね







「家族もできるリハビリ・シリーズ」

https://no-pain-yes-gain.com/free/w25

体幹の支えをカンタンにつくる方法は、特に1~3作目でご紹介しています。














最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46