第52号:福祉用具「杖編:その2」

 

 

 

 

<第52号(2020.4.11)>

 

 

 







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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています






前号では「杖」を左右どちらの手で使えばいいのか、というお話をさせてもらいました。

「物理的には、こう」というものはありますが、ご本人の性格なども踏まえて「安全第一」で行う必要があります。

さて、杖で歩く際、ご本人が独りで安定的に歩けるなら良いのですが、

そうでない場合は、誰かが「介助」につく必要があります。








第52号は、こちらです↓


■福祉用具「杖編:その2」

  歩行介助は、相手のステップに合わせて



■編集後記:外出自粛も介助も「相手本位の意識」で



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■歩行介助は、相手のステップに合わせて
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最近は道端でも、ご夫婦のようなペアが、

パートナーの歩行を介助している場面を見かけることが増えてきました。

「息の合ったペア」もいれば、「そうでないペア」もいます。

今回ご紹介する動画は、杖の絵は出ていませんが、杖のシリーズに含めておきます。

横に並んで歩行介助する際の基本は、杖があっても無くても同じですので↓







「【介助の基本】歩行介助は、相手のステップに合わせて」(1分39秒)

https://www.youtube.com/watch?v=-zuY5Jr9QM8&list=PL87Hh0oDQOdcvOYWW0DkyEWhprXi-jWff&index=2






動画の中では、

1.「やりづらそうにしているペアは、二人のステップが合っていない」

2.「ステップが合わない(ちぐはぐ)だと危険だし、お互い疲れるので、外出がイヤになりかねない」

3.「介助される人(歩行能力に低下がある人)の動きに、介助者の方が合わせる」

4.「相手が右脚を前に出したら、介助者も同じタイミングで右脚を出す」

などについてお伝えしています。







横並びのペアが揃って同じ右脚を出すと、「体の揺れ」や「重心」が同調(シンクロ)します。

逆に、異なる脚を出してしまうと、「体の揺れ」や「重心」が反対方向になってしまいますね。

つまり、横に並んで歩いているのに、体が近づいたり、離れたりするわけです。

これでは介助される人の体に、介助者から伝わる力も不安定になりますね。

不安定さは危険や疲れにつながりやすいので、長距離の歩行では尚更リスクが高まってしまいます。







体の動きが「同調(シンクロ)」していれば、体格差は意外に問題ないです。

私自身が歩行介助していた頃も、私よりだいぶ小柄な利用者さんと一緒に歩いていましたが、同調は可能でした。

ただ、ここで大事になることは、介助者が相手の動きに無関心で「自分本位」な場合は、相手に「同調」しづらいことです。

逆に、普段から何事においても「こうしてあげると、相手はラクかな」と「意識」している人だと、スンナリ行える可能性が高いですね。







私がリハビリでご家族に介助方法をお伝えする際は、

必要に応じてご家族に「介助される人の役」をやってもらいます。

「こうされると、苦しいですね」、「こうしてもらうと、ラクでしょう?」といった具合ですね。

そういう自らの体験をもって介助してもらうと、「相手本位な介助」へ向かいやすくなります。







これまでのメルマガや動画でも「介助」の話は時々登場していたのですが、

現在のコロナ騒動で、デイサービスなどに行けず自宅待機の高齢者が増えると、

ご家族が介護や動作介助する機会が増える可能性が高いので、

次号からは、「介助(方法)シリーズ」を始める予定です。

「福祉用具シリーズ」は、いつか「手すり」などの話で再開したいと思っています。






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■編集後記
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ここ何回かは、人々の「意識」の話をさせてもらっています。

次号から「介助(方法)シリーズ」が始まりますが、

この鍵となるのはズバリ、「相手本位の意識」です。

「自分本位」とは真逆の「意識」ですね。







現在は、コロナ騒動の渦中にあり、外出自粛などが要請されています。

「自分は若いから感染しても大丈夫」という「自分本位な意識」だと、

周囲の中高年などの命を危険にさらしてしまいますし、医療崩壊のリスクを高めますね。

外出自粛は自分のためはもちろん、「相手のため」なので、

これまで「相手本位の意識」が乏しかった人にとっては、学びの多い状況かも知れません。







次号から始まる「介助(方法)シリーズ」は正に、

「相手本位の意識」がベースに必要とされる分野です。

その「意識」がある上に、理にかなった具体的でカンタンな方法があると、

介助される人も介助する人も、より負担が少なく乗り越えられるようになります。







しかも、私はリハビリ専門職ですから、単に相手の体を動かす介助でなく、

介助の中に「リハビリの要素」も、安全・カンタンな方法で入れて行きます。

つまり、「相手を介助するたびに、相手は身体能力が高まって行く(リハビリされて行く)」という方法をご紹介する予定です。

コロナ騒動で自宅待機の間に、「介助スキルを一気に高める」お役に立てれば幸いです。







最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46