第50号:福祉用具「歩行器←→杖」

 

 

 

 

<第50号(2020.3.29)>

 

 

 







☆★☆──────────────────────────────────────

家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

───────────────────────────────────────── 

こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています






さて、最初にお詫びですが、前号(第49号)のタイトルが間違っていましたね。

まだ「車椅子編」となっていましたが、「歩行器編」が正しいです(スミマセン)。

ホームページ内にあるメルマガのバックナンバーは、修正済です。






歩行器は比較的取り上げる内容が少ないので、

「歩行器←→杖への移行は、どのような要因でなされるのか」という概要説明の動画を、今回ご紹介します。

(動画の内容は、説明の都合上、杖の話から始まりますが)





第50号は、こちらです↓


■「福祉用具:歩行器←→杖」

  「自分の体(脚)で支えられる割合」次第で、「腕(杖)に頼る割合」が決まる



■編集後記:「意識」を「意識」して下さい



_______________________

■「自分の体(脚)で支えられる割合」次第で、「腕(杖)に頼る割合」が決まる
_______________________


身体能力と移動補助具とは密接に関係しますね。

ざっくり言えば、ご自分の両脚で体を支えられる割合が下がると、

その分を、用具(腕の力)に頼らねばなりません。






ご本人があまり動けなければ「車イス」ですが、

「歩行器」や「杖」の場合は、

その境目(変更の判断)って、どうなっているのでしょうか?

今回は、そういう内容の動画です↓






「【杖の選び方】『自分の体(脚)で支えられる割合』次第で、『腕(杖)に頼る割合』が決まる」(3分16秒)

https://www.youtube.com/watch?v=n_xLOviq5oQ&list=PL87Hh0oDQOde7Zxl53HnAbaGAnEKGg0_8&index=1






動画の中では、

1.「両脚で支えられる割合により→支える用具を変える必要がある」

2.「移動補助具の『底面積』の大小が、その用具の支持機能の大小と考えてくれてもいい」

3.「身体能力に適さない用具を使うと、危険」

4.「リハビリは、両脚で支えられる割合を増やし、移動補助具を軽いものに変更して行く」

などについてお伝えしています。







自分の脚で支えられない分を用具に頼るというのは、

歩行器や杖の場合、「腕の力」に頼るということですね。

「腕の力」で踏ん張ることで、体重の何割かを支えるので、

その分、脚で支える割合を減らせるわけです。







なので、リハビリとしては、ご自分の脚で支えられる程度を増やして行きますし、

それ次第で、移動補助具を変更して行きます(例えば、歩行器→杖に)。

逆に、なんらかの理由で身体能力が低下したら(ご自分の脚で支えられる割合が減ったら)、

危険なので、移動補助具をまた変更します(例えば、杖→歩行器に)。







また、同じ人でも、日中と夜間とでは動作能力が異なる場合があります。

日中は杖でスタスタ歩けるのに、

夜間にトイレへ移動する際には不安定な場合などは、

「夜間は歩行器移動」と設定し、自前の杖と、介護保険でレンタルした歩行器を併用したりしますね。






移動補助具の見た目や大きさ、置き場のスペースの関係などで、

現在の身体能力に見合わない移動補助具を使っているケースを時々見かけます。

もし、そのせいで転倒して大ケガしたり、

血圧など体に負担がかかって、別なトラブルを誘発するようであれば困ったことになってしまうため、

移動補助具は、その時々で、適切なものを使用する必要がありますね。






ちなみに、私がリハビリの中で移動訓練を進めて行く順番としては

ご本人が脚で支えられる割合が増えるにつれ、

車イス
→車輪つき歩行器(ずっと前傾姿勢で使える)
→車輪なし歩行器(前進時に歩行器を持ち上げる必要あり)
→片手で手すり(安定性が高い)
→4点杖(安定性が低くなるので、底面積がより大きいものから)
→1本杖(最も不安定な用具)

という感じになります。







杖に関しては、選定や使用方法、

歩行介助の仕方など、お伝えすることがいくつかあるので、

次号から「杖」の話に入って行く予定です。





_________________
■編集後記
_________________


連日のコロナウイルス・ショックのニュースにより、

世界中の人々が不安な生活を強いられていますね。

生活物資などの「買い占め」なども見られるため、

今日は「意識」の話をさせてもらいます。






人間は動き回りますが、

体を「車」だとしたら、運転手は「意識」ですね。

経済(株価などの上下動など)も人々の「意識」で動きますし、

今回の「買い占め騒動」も、「不安な意識」が集まり、渦をなし、大きな波となって、店に押し寄せています。






ブームを作り出すプロデューサーや仕掛け人、

デマにより人々を混乱に導く人などは、

そういう「集団の意識」を作り出し、コントロールすることに長けているのでしょう。

「意識」はポジティブな方にも、ネガティブな方にも働きますからね。







「意識」が強まると「認識」になり、さらに「信念」や「思い込み(メンタル・ブロック)」になったりします。

メンタル・ブロックまで至ってしまうと、修正がなかなか困難ですね。

「こんな便利な道具が、登場しましたよ」と言われても、

自分のブロックがジャマして前進しづらくなるため、そのブロックを「意識して外す」ことが必要になります。







リハビリに関しても同じです。

「リハビリは専門職がやるものだ」という「認識」や「思い込み」、「ブロック」を外さないと、

今回のコロナ騒動で高齢者が「自宅待機」になり、身体能力がどんどん低下することを、観ているだけになってしまいます。

気が付いたら、ご家族が介護離職せねばならない状況になりかねません。







でも、「意識」は変えられますよ。

昔は「飲料水は無料」が当たり前だったのに、今ではミネラルウォーターを買うのが当たり前、という「意識」に変わったように。

「誰でも誰に対してもやれる、簡単で効果的なリハビリがある」し、そういうものによって「コロナ騒動による自宅待機も、今後の超高齢社会も乗り切れる」という「意識」に変われば、

量・質ともに不足傾向のリハビリ専門職を、みんなで補って行ける「意識の流れ」に変えることができ得ると考えます。







最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46