在宅生活は「努力で成り立つもの」に変わります
リハビリ・シリーズの5作目(完結編)である、
「在宅特集:家族がリハビリをする時代」が発売されたことを記念して、
今回はそれに関連するテーマで少し書いてみます。
誰しも、若くて元気な頃は、
自分の家で過ごすのは当たり前のような感じがします。
ところが、高齢になったり、何かの病気を患ったりすると、
自宅での生活を続けるのは、『努力が必要なもの』に変わります。
ご本人の努力(食事の節制や受診のための外出など)が可能な時期はまだ良いのですが、
ご本人の意欲が低下したり、動けなく(動かなく)なってきたりすると、
周囲の関係者(ご家族や医療福祉関係者)の努力なしでは、
自宅での生活は継続が困難になってしまいます。
では、そうなったら、あっさり病院や施設に入ればいいかと言えば、
なかなかそうも行きません。
社会の高齢化が進む中、病院や施設のベッドの空き状況次第では入れませんし、
入院や入所は費用がかかるので、経済的に避けたい(ギリギリまで自宅でねばりたい)というご家庭も少なくありません。
つまり、本来なら在宅生活が困難なケースでも、
在宅生活を継続して行かざるを得ない人々が、ますます増えて行く可能性が高いのです。
そうなると、前述の『周囲の関係者』の負担を最小限に抑えないと、
関係者が皆、『共倒れ』になってしまいかねません。
ご家族の共倒れはもちろん、医療福祉スタッフに関しても、
労働者人口が減っており、仕事の大変さのわりに収入が多いとは言えない医療福祉の仕事が敬遠されると、
スタッフ不足から現職員たちへの『負担』が増えて、彼らを押しつぶしてしまう危険性が高まるためです。
そんな『関係者の負担』を少しでも減らすためにも、
リハビリ・シリーズの最終作は『在宅特集』にさせて頂きました。
それぞれの家庭事情の中で奮闘される皆さまの
助力に少しでもなれば、幸いです。
シリーズ5作目はこちらからどうぞ→「その5 家族がリハビリをする時代」